2016年3月現在で、沖縄県以外46都道府県に行ったことのある私。しかし、石川県は学生時代に列車で通り過ぎているだけで、観光していなかったのであった。
昨年は、北陸新幹線が開業したばかりで混雑することが予想されたため、開業してから1年経過しようとした今に行くことにしたのだ。もちろん、新幹線に乗るだけの予算はないので高速バスで行く。ただ、所要時間が約7時間半と長いため日帰りとはいかず、往路は夜行で復路は昼行という夜行日帰りでの弾丸旅行にしたのであった。
時刻は22時、場所は池袋駅東口。乗るバスは、グリーン大通りの西武高速バス乗場から発車する22時30分発「金沢エクスプレス7号」。発車15分前まで、近くのネットカフェでブログ執筆にコン詰めてチェックアウトしてから、待合室の手洗いに行って用足しと歯磨きをしようとした。ところが、待合室の手洗いは使用中でなかなか出ず、バスは既に乗場に着いており係員に事情を伝えたところ、「今からでは間に合わないので、乗車してから車内で行って下さい」と言われ、車内で行う事にした。
始発は新宿駅、担当は西武バス。定刻に発車すると、新宿から池袋に向かった時に通った明治通りを、高戸橋交差点まで引き返してから右折して新目白通りに入り、下落合駅、練馬と停車して乗車扱いが川越的場まで間が空くこの時に、手洗いで用足しと歯磨きを行った。車内の手洗いは、ドアを閉めてロックしてから照明がつく仕組み。それにしても、やはり狭い。
これらを終えて席につくと、既に関越道に入っていた。川越的場に停車して乗車扱いが終わると、北上して最初の休憩場所、上里サービスエリアへ向かった。夜間であるため、休憩場所に着いても前上部の電光表示が行われるのみでアナウンスは無い。日付が変わった直後に到着して、車外に出ると霧雨が降っていた。15分休憩して、関越道から上信越道へ。寝られない。
午前2時頃に2回目の休憩場所、松代パーキングエリアに到着。他の高速バスも休憩停車でやって来る。西武バスは夜行でも、休憩場所は降りることができる。また15分休憩して、ようやく爆睡。目が覚めると北陸道を走っており、少しして金沢東インターチェンジで一般道に降りて、定刻より約10分早い5時45分頃に終点・金沢駅に到着。
到着後、金沢駅をブラブラ。さらに、歩いて近江町市場でブラブラ。さすがに早朝では開いていないようで。しばらくすると、早くから開いていた煎餅屋さんから美味しい出汁とガイド冊子をもらい、お礼で魚介の煎餅を買った。店員さん、ありがとうございます。
これで元気がついて、金沢城公園に向かった。冬期が8時からである以外は、7時から開いている。ウォーキングやジョギングをしている方々を見る。爽やかだねぇ。
さあ、ここからは道路を挟んで隣の兼六園へ向かう。金沢に行って、絶対外せない観光地だ。ここは有料。園内に入ると、外国人観光客が大人数で写真を撮り合っているではないか。さらに行くと、梅林で写真撮影しているカメラマンも、こだわりの一枚を狙ってシャッターを切っているようだ。その一方で、園内を美しく保つために清掃をされている方もいるのである。
特に有名な徽軫灯籠(ことじとうろう)は言うまでもなく、噴水、明治紀念之標など見どころいっぱいである。実際に行く価値は大いにあるので、是非とも寄って欲しい。
さて、腹が減ってきた。と、金沢と言って絶対外せないのが「俵屋のあめ」である。東のはずれの住宅が立ち並ぶところに、本店がある。見るからに、昔ながらの飴屋さんである。
店内に入ると、きれいなお姉さんとご婦人が対応されていたよ。ここの飴は、米と大麦と水だけで作っており、砂糖などの調味料や添加物は一切使っていない。店を開けている時でも、飴を練り上げているのだ。試食すると、これが無垢で優しい甘味なのだ。
応対された店員さんは、肌がきれいだった。やはり、天然の飴を口にしているからこその美貌であるに違いない。
そうそう、そろそろ近江町市場に行っておいしい魚を食べに行こう。何と、魚を買ってさばいてもらって、その場で食べることのできるところがある。その1つが大松水産だ。どの魚も刺身でおいしくいただけるが、特にノドグロの炙りは最高だ。さらに、金澤屋吉右衛門で海鮮丼を食す。大満足の腹ごしらえだったねぇ。
旅の締めくくりは、武家屋敷。加賀百万石と言って、武家の史跡を忘れるわけにはいかないだろう。時間が無くなってきた。金沢駅に戻らなければならない。観光客あふれる鼓門近辺を眺めながら、帰りのバス乗り場へ駆けつけた。
時刻は13時20分、場所は金沢駅バスロータリー。乗るバスは、駅入口近くの高速バス乗場から発車する13時30分発「金沢エクスプレス6号」。担当は西武バス。定刻に発車すると、金沢東インターチェンジから北陸道に入り、東へ向かう。乗客は行きの夜行とは異なり、ほぼ満員状態であった。
旅の疲れで爆睡していたために、次に目が覚めたら上信越道に入っていて、松代パーキングエリアでの2回目の休憩の直前だった。ここで、少し体を動かして気分良くなったところで車内に戻り、夕方の信州を駆け抜けていた。
次第に日が暮れて時々睡魔が遅い、上信越道から関越道に入って少しすると、最後の休憩地、上里サービスエリアに到着。
最後の休憩を終えて出発した直後に、渋滞が発生した。降車は練馬・池袋・新宿の3ヶ所なので、他は通過する。こうして、関越道を降りてからは練馬で降車扱いが行われ、新目白通りを高戸橋交差点まで東へ直進して、そこから明治通りを北上して約30分の遅れで21時15分に、降車地の池袋駅東口の西武池袋本店前の降場に着いた。バスはグリーン大通りを経て、終着地の新宿に向かって走り去った。
久々の高速バス利用で、約半日という短い時間でも、十分に満足な旅であった。
しまい。